2021-09-27

様々な種類のマインドフルネスから自分にあったものを見つける

一口にマインドフルネスといっても色々な種類があります。どんな種類があるか知りたい、自分に合ったやり方をみつけたいという方は多いのではないでしょうか。今回は、様々なマインドフルネスのやり方をお伝えします。マインドフルネスとはどんなものだろう?という方はこちらをご覧ください。

  • 呼吸法
  • 静座瞑想
  • からだに意識をむけるボディースキャン
  • ヨーガ瞑想法
  • 歩く瞑想
  • MBSR
  • その他のプログラム

呼吸法

呼吸法には毎日15分時間を取ってトレーニングする方法と、日常生活の中でできるトレーニングがあります。

15分は毎日決まった時間である必要はなく、自分の都合の良い時間帯に設定すれば問題ありません。座っていても横になっていても良いので自分が楽に過ごせる姿勢を取ります。その姿勢が見つかっていない場合は、姿勢をみつけることから始めます。

 

任意の姿勢をとったら、自分の意識を呼吸に向けます。この時に呼吸をコントロールしようとしてはいけません。リズムよく呼吸しようとしたり、細く長く吸ったり吐いたりしようとせず、自然に任せます。自分の呼吸がどのようになされているのか観察するのが良いでしょう。

呼吸に意識を向けていると、ある瞬間から別の考えが浮かんできてそちらに意識が向いてしまうことがあります。呼吸から意識が離れていることに気がついたら、どんなことに意識が向いていたか観察し、また呼吸に意識を戻しましょう。15分間これを繰り返します。

浮かんでくる考えに意識が向くことは自然な現象であり、悪いことではありません。失敗してしまった等と落ち込み、一生懸命意識を動かないようにして疲弊しないようにしましょう。

このトレーニングを1週間続けます。生活の中で、意図的に自分の呼吸に意識を向ける時間を設けることによって、自分の内側で起こっていることについて自分自身で気がつく能力を養います。

日常生活の中でできるトレーニングとは、1日の中で気がついた時で良いので自分の呼吸に意識を向ける瞬間をつくります。その時、どのような呼吸をしていたか、どのように感じたか、そのトレーニングを実施することで自分に変化があればそれを見逃さないように観察します。

静座瞑想

静座瞑想とは、自分の存在を感じる瞑想法です。わたしたちは普段から、何かをしなければならないという意識に駆り立てられています。朝は〇〇時に起きなければいけない、起きれば朝食をとらなければいけない、洗濯をしなければいけない、〇〇時までには出社しなければいけない。~しなければいけないばかりです。出社すれば、しなければいけない仕事であふれています。帰ってから寝るまでの間も色々なことに追われているのではないでしょうか。

静座瞑想を行うことで、これらの自分を駆り立てる思考に捉われない状態を目指します。毎日この瞑想法を行うための時間をつくり、自分自身に注意を向けます。瞑想を行う場所を確保することも大切です。瞑想中に電話への対応や、家族の入室等になるべく影響されない環境をつくりましょう。

この瞑想法で大切なことは姿勢です。背筋を伸ばし長時間座っていても、なるべく疲弊しない姿勢を探してください。椅子に座っても、床に胡坐をかいてもかまいません。瞑想に慣れている人は、脚を組んでも良いでしょう。注意したいのは椅子に座る場合は、下半身が冷えないように工夫することです。床に座ったり脚を組んだりする場合は、ヨガマットや布団等を利用して関節に負担がかからないようにしましょう。痛いことに耐えることが修行であると勘違いして、身体に故障が出るとそもそも座ることが苦痛になってしまいます。自分自身に対して寛容でありたいです。

1日1回少なくとも10分は座りたいです。リラックスして自分の呼吸に集中します。座っていると様々な思考が浮かんでくるでしょう。意識が呼吸を離れてそちらに向いていることに気がついたら、また呼吸に戻します。呼吸に集中することに慣れてきたら、意識を呼吸からお腹、身体全体と広げていきます。同時に30分程度を目標に少しずつ座る時間を伸ばしていきます。

さらに静座瞑想を深めたいのであれば正式な指導者について実践することが良いと思います。瞑想を続けていると、様々な疑問が出てきます。それらについて質問できる指導者や、体験を共有できる仲間はとても大切です。1人で悩むのではなく、一緒に瞑想を深めることができます。

からだに意識をむけるボディースキャン

ボディースキャンは、自分のからだが経験している感覚を知覚して、その部位に意識を留めることでからだへの感受性を高めます。そうすることで自分のからだへの理解が深まり、今まで気がつかなかった感覚を味わうきっかけになるでしょう。

わたしたちは自分や他人の外観に対して強い興味を持つ傾向があるのではないでしょうか。美しい顔立ちや理想のスタイル、筋肉のつきかた等理想とする姿を見て羨んだり、自分の容姿と比べてため息をついたりするかもしれません。また、年齢を重ねる毎に失われる若さの他、皺が刻まれる顔や衰えていく肢体を目の当たりにして悲観することもあるでしょう。

その反面、自分のからだの中がどのように動いていて、どのような体験をしているのかを知覚していることは少ないように思われます。呼吸法で自分の呼吸の出入りやお腹のふくらみを感じたように、その他の部位も絶えず動きがあり何かを経験しているのです。

ボディースキャンのやり方は、まず自分が楽に過ごせる姿勢をとることから始めます。椅子に座っても横になってもかまいません。膝を立てたり、枕を使ったりして体制をサポートしましょう。

そうしたら呼吸法で自分の呼吸を意識したように、足先から頭までからだの各部分に意識を向けて、その瞬間に体験していることを見つめます。様々な考えが浮かび意識がそちらに向いていることに気がついたら、また呼吸やからだに意識を戻します。

ボディースキャンをする時間は、最初は少ない時間でかまいません。少しずつ時間を伸ばしていき、45分間で身体全体をスキャンできるようになると良いでしょう。個人で実施することが難しい場合は、専用の音源を用いる方法もあります。

ボディースキャンをするときの心構えは、特別な何かを求めないことです。意識をむけたところがその瞬間に体験していることをあるがままに受け入れます。

ヨーガ瞑想法

ヨーガはサンスクリット語で「結びつける」という意味です。結びつけるのはこころとからだです。

この瞑想法を行う上で大切なことは、からだの発する信号に注意を向けることです。任意のポーズをとっている際に、からだの様々な部分がどのような体験をしているか注視します。これはボディースキャンで行ったことと同じです。

また、そのポーズ中にからだが限界を感じていると発する信号に気がつくことも大切です。限界手前の安全な領域でヨーガを続けると良いでしょう。無理なポーズに挑戦したり、限界を超えて頑張ってしまったりすると故障する可能性があります。すこやかに生きるためのヨーガで怪我をしてしまっては元も子もありません。

ゆったりとからだを動かすヨーガの方が、身体を動かさない静座瞑想やボディースキャンよりもやりやすく感じるかもしれません。これを行うことによって、からだの信号に意識を向けることに慣れれば、静座瞑想やボディースキャンの実勢にも良い影響があらわれるでしょう。

歩く瞑想

歩く瞑想とは、歩くことに集中することです。わたしたちは例えば出社のために駅から会社まで歩く時でも、歩くことだけを考えている訳ではありません。周囲の様子を見たり、到着までの時間を気にしたり、またはその日の仕事について考えていたりするかもしれません。歩いている事だけに集中して、その時自分がどのように呼吸しているか、だとか脚のこの部分がこのように感じている等に注意を払います。

そうしてみると単純に歩くだけでも実に多くのことを感じていることに気がつくと思います。鞄を持っている方の腕は重さを感じているでしょうし、持っている指は1本1本感覚があるでしょう。歩行を進める毎に片方の足に体重がかかり、全体のバランスをとっていることに気がつくと思います。

この様にして、瞑想をしていたり、ヨーガをしていたりする時間だけでなく、何気ない日常生活の中にも注意を集中する時間を持てるようにします。マインドフルネスとは特別な時間を過ごすことではありません。何となく過ぎていく日常生活の瞬間にも意識を向けることで、そのありのままを感じることができるのです。

MBSR

MBSRはMindfulness Based Stress Reductionの略でマインドフルネスストレス低減法のことです。MBSRといえば通常8週間のプログラムとなります。参加者は8週間継続してプログラムへ参加することが求められます。

MBSRクラスは対面式とZOOM等を利用したオンラインクラスがあります。2020年11月30日現在、コロナウィルスの影響によりオンラインクラスをよく見かけます。

8週間の期間中、週に1回約2.5時間のクラスと第6週と第7週の間の約8時間の全日練習クラスがあります。その他に、毎日45分~60分の自宅練習が求められます。

2.5時間のクラスは実践を主に進められます。マインドフルネスのことや、効果の説明はもちろんなされますが、ボディースキャンや静座瞑想法、ヨーガ瞑想法の実践が主体となります。8週間のプログラム中に自分に合った組み合わせができるよう導かれます。

毎日45分~60分の自主練習も実践が主体となります。マインドフルネスは、自分の内側に注意を向ける力を養います。これには日々のトレーニングが不可欠で、毎日時間をとって練習する必要があります。

これらの他にも興味深いプラクティスが多く用意されています。参加者の体験を聞くことに集中するマインドフルリスニングや、食べる事に集中する食べるマインドフルネス等です。こういったプラクティスは日常生活に容易に取り入れることができますし、それを実践することで日常生活中に多く今を感じられることでしょう。

ここからは個人的な意見なのですが、MBSRに参加することで指導してくれる講師陣も含めてマインドフルネスを実践する仲間ができます。これは貴重な財産になると思います。様々な参加者の体験談を聞くだけ手も非常に勉強になります。色々調べて独学でマインドフルネスを実践することもできますが、それを継続するのは非常に困難です。MBSRを修了しても、その繋がりを大切にしていけば、自分自身がマインドフルネスに関わる機会も増えるのではないでしょうか。興味を持たれた方はMBSRに参加されてはいかがでしょう。

その他のプログラム

コンパッションを育むトレーニングや、マインドフルネス認知療法等があります。

コンパッションは、自分や他人の感じる痛みや苦しみにやわらかな注意を向け、その感覚に寄り添い共にいることと定義されています。コンパッションが高い人程、抑うつや不安が低い傾向にあるといわれています。また、自分と他人を比較した際の劣等感等が軽減され、そういった感情に振り回されない自己を構築する手助けとなるでしょう。

このトレーニングはMBCLやMSCと呼ばれます。マインドフルネスをベースとしたトレーニングを継続的に行うことにより、コンパッションを育みそれを深めていくことを目的としています。トレーニングはMBSRと同様に8週間にわたるもので、週1回のクラスと日々の個人練習が課されます。

マインドフルネス認知療法は、うつ病の再発予防プログラムとして開発されたものです。現在提供されているものは、そこから発展してより多くの方が参加できるプログラムになっています。苦しみや痛みに対応する方法を学習することに加え、冷静な自己を保ち自他への思いやりを育むトレーニングです。

まとめ

マインドフルネスといっても様々な種類があります。自身の思考傾向や健康状態をよく観察して、自分に合ったプログラムが見つけられると良いですね。今回紹介した他にも、Google社のSIYや音源を用いたマインドフルネス等があります。

※この記事はマインドフルネスストレス低減法とInternational Mindfulness Center JapanのMBSR8週間コースを受講した内容を参考に書いています。

 

令和3年9月24日

小原 良淳

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